赤と黒

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  「ヤベェ、撥ねちゃったよ」 「しかも黒猫じゃん。超縁起悪っ」 「つか、何で金魚とか居る訳?」 車から降りてきたニンゲン達の声が、頭上から降って来る。 「ま、みんな無事だった訳だし、海に行くぞ?」 「はぁい」 其れは、或る暑い日。 蝉が喚いて、恰も耳鳴りの様な蒸し暑い日。 彼と彼女が居たのは、そんな人間が蠢く世界──  
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