赤と黒
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……嗚呼、彼処か……。 硝子の部屋の天井が無い。 彼女は何度も、其処から部屋を出ようと為たらしかった。 所々に傷が在る。 ──何故? と問えば、ほんのりと赤い顔をより一層赤らめて、小声で、 ──逢いたかったから。 と返す。 其れが愛らしくて、彼は嬉しかった。
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