赤と黒
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──此所から…逃げて、仕舞おうか。 彼はポツリと謂い、彼女は彼の瞳を見詰めた。 初対面の時は恐かった其れは、今は恐くは無い。 ──僕達は姿形も性格は勿論、生きて居る環境も違う。解って居る。だけども…一緒に居たい。 彼女は小さく頷いた。 彼は身軽な躰で硝子の部屋の壁を上りきると彼女に声を掛けた。 …おいで…? 彼女は力一杯の助走をつけて飛び上がった。
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