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「はい、到着っと」
出会った所から少し歩いた小さな住宅街。
大通りからちょっと離れた場所にひっそりと佇む喫茶店があった。
アンティーク調な造りの外観と整えられた綺麗な庭先が、周囲から少しだけ自己主張している。
「あ、私の事は奈月って呼んでね二人とも。 店に入って柊って読んだら姉さんも私も反応しちゃうから」
「「わかりました」」
奈月さんはドアノブに手をかけて中へ入ろうとするが、何かを思い出して俺達の方を振り返る。
俺を真剣な顔で見つめて問う。
「ねぇ、夏樹くん…… 君の握っているモノに意味は在るの?」
その問いは予想されていなく、俺は言葉を出せない。
氷は言いたいか分からず困惑している。
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