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「握っているモノですか…… 柊先生はそこまで話されていましたか……」
俺の暗めの問いに奈月さんは少し怒ったように答える。
「姉さんは教師を辞めてからも君の事を心配してた。 ううん、多分まだ心配してると思う。
それにもしかしたら、姉さんが教師を辞めた理由の一つかもしれない。 私は双子の妹として、家族として聞きたいの」
奈月さんの日向さんへの想いはすごくやさしく暖かいモノだ。
俺が守るべきモノもそういったモノの筈だ。
答えよう。
答えなければ。
今まで足掻き続けて得た答えと力がある。
自分が積み重ねてきた想いがここにある筈だ。
自分の想いを意志を突き通した黒い二刀流剣士と復讐に駆られた剣士に出会って知った、感じた事があった筈だ。
自分達姉妹の過去を話してくれた銀髪の姉妹に言われた筈だ。
一人の寂しさを理解してくれた吸血鬼がいた筈だ。
優しき黒き天使に叱られた筈だ。
そして、あの暖かい家族と寮の人々に教えられた筈だ。
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