第二話 出会いと再開と運命の鼓動

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重々しく口を開く。 「そうですね…… 意味があるかと問われると答えにくいですね。 どちらとも答えられますから。  それを握る意味は無いですし、現代では必要性も低いでしょう……   けれど、俺はそれを握った事で色々な人や世の中の真実、命の尊さや運命や宿命の厳しさを知りました。  そして、強く純粋に想えばそれは力と、原動力になると知りました。  何より握ったそれは守りたいと願った、人々の業です。  俺はその想いを意味の無いものとはいえませんし、思えません。   その想いと柊先生が居たからこそ、俺は立ち直れたんですから…」 俺は多分微笑んでいるんだろう。 壊れた心が生んだ歪な微笑み。 だがそれは本当に心からの微笑みだ。 たとえ、それが悲しく見えても……
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