第一話 物語のハジマリ

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「もしもーし?」 「……寝るか」 机に突っ伏し、目を閉じる。 「ふ~ん、いい度胸してるわね」 ―――ゴォン 突然、激しい衝撃が頭を襲う。 「……目、醒めたかしらね、夏樹クン?」 不機嫌そうな声とふくまれた危険な気配。 「醒めましたとも氷サマ」 仕方なく頭をあげると声の主である九条氷の姿があった。 髪を特徴的なサイドポニーにして、活発そうなイメージがある友人だ。 今は少し不機嫌そう。 「無視せずに起きなさいよ、もぅ」 「眠たくてさぁ、ふあぁぁぁああ~」 「夜更かしでもしたの? 何かやらないといけない課題あったっけ?」 「いや、なんとなく寝れなかっただけ……、で、何か用?」 氷は機嫌を戻しつつ、手に持っていた物を目の前に置く。
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