第一話 物語のハジマリ

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「ほら、この前、『バイトでも探そうかな~』って言ってたじゃない? だから何 かの参考になるかと思って桜子が読み終わったのを貰って来たわ」 「……ありがとう」 「なによ、その間は……」 氷の髪の毛がすこし不機嫌そうに動いている。 「いや、氷がわざわざそんな事をしてくれるとは思わなくてな。 ありがとう」 俺の言葉に顔を真っ赤にしてそっぽを向く。 熱でもあるのか? 「別に大した事してないわよ! ほら、もう今日の講義終わったから帰るわよ!! 」 氷は荷物を持ってさっさと出ていく。 俺も急いで片付けて後を追った。
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