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「何だか暗い…」
『もうすぐ夜になるからさ』
「夜…」
『そうだよ…もうすぐ街が輝き出すんだ』
しばらく歩いていると
街にあかりが灯り出した
「明るいけど…綺麗じゃない」
『うん…この道を真っすぐ行ってみて』
言われた通りに、しばらくまた歩き出す
『ここから見える景色はまた違うんだよ』
サンが見つめる方向に
目を向ける
「小さな輝きがたくさん」
『うん…さっきの光がたくさん集まると、また
輝きがかわるんだ』
「こっちのキラキラがいい」
『僕もだよ』
しばらく街を見つめながらサンは言った
『小さな光が集まれば、
こんなに綺麗な世界にかわるのに、いさかいが耐えない世界なんだ…』
「仲良くはなれないの?」
『どうかな?人間の感情は複雑だからさ』
「うん」
『ムーンみたいな真っ白な心をもった奴は、この世界にはいないかもね』
「真っ白?」
『欲や金には興味ないだろ?』
「わからないな」
『それでいいよ…欲は
人間を変える…金は人間を振り回す』
「難しい世界だね」
『まぁ、何でも普通が
1番さ!欲も金も人間には必要なものだから』
「うん」
また、しばらくキラキラの光を見つめていた
小さな人間が集まれば
なんでも出来そうな気がするけど…
それをやろうとしないのは何故なんだろう
みんなで力を合わせれば、この灰色の雪だって
綺麗な雪にかわるのに
やはり
人間世界はわからない…
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