ー楽ー

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(ペロ) 「んっ…」 『ムーン!』 何日か眠り続けたムーンが目を覚ます 「………サン」 『よかった』 「ずっと…傍についていてくれたの?」 『うん…僕にはそれくらいしか出来ないから』 「寒かったでしょ?」 『大丈夫!寒さには強いって言っただろ?』 「サン…」 初めて会った時は 殺してしまおうかと思った 生かしているのは 単なる退屈しのぎのはずだったのに 今は、そんな事は どうでもよかった それほど、大切な存在になりつつあったから 二人はいつも一緒にいた それが当たり前だと 思えていたから 「♪~♪♪」 サンが歌を口ずさむ 『それは何?』 「これは歌だよ」 『綺麗な声だね』 「ムーンにも出来るさ」 『出来るかな?』 「教えてあげるよ」 そう言って、サンは ムーンに歌を教えた 音のない世界に 二人の歌声が広がる (ヒョコ) 「誰?」 『あれは、ウサギだよ』 「殺していいもの?」 『ダメ!僕達の歌を聴きに来たんだよ』 「歌を?」 『うん…この世界には ないものだけど、みんな歌が好きみたいだね』 そう言ってまた 歌いだす (ヒョコヒョコ) (バサバサ) (ピョンピョン) 気が付けば 回りには今までムーンを 怖がって隠れていた動物達が姿を現わし歌を聞いていた 「君達にも教えてあげるよ」 サンは動物達に優しく 話しかけた
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