ー怒ー

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毎日、ムーンとサンは 一緒にいた サンのお気に入りの 場所はムーンの肩の上 ムーンのお気に入りは サンの柔らかい毛並み ムーンが撫でると ゴロゴロと喉を鳴らす 「どこか痛いの?」 『違うよ』 サンは笑う 『僕達猫はね、嬉しい時はつい、ゴロゴロ言っちゃうんだ』 「嬉しい時」 『ムーンが嬉しい時に笑うのと同じだよ』 「そうなんだ」 頭を撫でながら サンを見つめていた 『ねぇ…僕たちが住んでいる世界に来てみない?』 「サンの世界?」 『うん!』 「そこには何があるの?」 『ドキドキとワクワクだよ』 「ドキドキとワクワク…?」 やはりムーンにはわからない言葉だった 『それを知るために、行くんだよ』 サンはブルーの瞳を 輝かせながら言った 「わかった…ドキドキとワクワクを確かめたい」 『うん、行こう!』 ムーンはサンを肩に 乗せ、ゆっくり瞳を閉じ、人間に姿を変えた 「行くよ」 『うん』 サンをしっかり抱きしめて、氷の扉を開けた
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