ー怒ー

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「暑い…」 『大丈夫?こっちの世界はいま、冬と言う季節で、生き物達はみんな寒さで震えているんだよ』 「寒い?」 『うん』 「サンも?」 『僕は大丈夫!寒さには強いんだ』 「うん」 初めてきた世界は 色がたくさんあった でも…綺麗だとは 思えない たくさんの色が混ざり合った 灰色の世界 この 空から降る雪も 汚れていた 『ムーン、行こう』 「うん」 ドキドキとワクワクを 探しに歩き出した 『あっ、ムーン危ない!』 「えっ?」 (キキー!) 「馬鹿野郎!死にたいのか!!」 何故、この人は大きな声を出しているんだろう 『ムーン、こっち!』 サンに呼ばれ、その場を離れた 『あのね、今ムーンが立っている場所は道路って言うんだ…そして、さっきのが車』 「車…」 『この世界にはルールだたくさんあるんだ』 「ルール…」 『ほら、あそこに3つの光が見えるだろ?』 「うん」 『赤はとまれ、青が進めと教えてくれる』 「真ん中は?」 『僕にもわからないや』 クスッと笑い、肩に飛び乗った 『だからね、赤の時は動いてはいけないよ?』 「わかった」 そして信号がかわった 「青…」 『うん』 ゆっくり歩き出す 「息が詰まりそうな世界だね」 『うん、そうだね… 人間達はいつも何かに縛られているんだ』 「縛られて?」 『例えば…時間とかね』 「時間」 『ムーンの世界にはないものだね』 「うん」 『この世界の一日は、 24時間…つまり、ほら、あそこに数字が書いてあるだろ?』 街の時計をみつけた 「うん」 『あれで人間は時間を知るんだよ』 「知ってどうするの?」 『その時間がないと、 大変な事になるのさ』 「それが縛られていると言う事?」 『ん~、説明しにくいけど、この世界には大切なものみたいだよ』 「わかった」 時計の針をしばらく 見つめながら、 時間を感じていた
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