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「あっちゃ~。見事に降られたよ。天気予報なんてあてにならないね…。」
そのニンゲンの女の子は元気に話すと、ビショビショの体を拭き始めた。
もちろん、ワタシのことなんか…。
「わぁ、にゃんこだっ!!うむむ、先に雨宿りしてたのかぁ。ねぇねぇ、私もここで雨宿りしてもいいかな?」
あれ?
気付いてるばかりか、ワタシにお願いしてる…?
「…だめ?」
そのニンゲンの女の子はワタシを抱き上げて、またお願いする。
こんなニンゲンもいるのか…。
不思議な気持ちのワタシは、女の子の指を舐めて了解の意志を伝える。
「あははっ、オッケーだよね!ありがと!私は、真輝だよ。アナタは?」
ワタシに名前?
そういえば、名前を呼ばれた事なんてない。
困惑気味のワタシを抱いた真輝と名乗る女の子は、近くのベンチに腰を下ろした。
「…名前とか、わからなくても友達にはなれるか…。」
真輝はそう呟くとワタシに提案する。
「雨、止みそうもないね…。そうだ!一緒に雨が止むまで、おしゃべりしよっか?」
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