雨宿りした日のこと。

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雨の音が次第になくなり、雲の隙間からは光が差し込んでいる。 そんな中、真輝の悩みを考えるワタシは、奇妙な気配を感じて空を仰ぐ。 「…ん、どうしたの…?って、雨、止んじゃいましたね…。」 真輝は気づいていないんだろうか? 誰かがワタシ達を見ていることに…。 不思議そうに辺りを確認するワタシの頭の中に、【思念】が直接入り込んでくる。 『…すみません。真輝さんの話し相手をさせてしまいましたね…。有り難うございます。』 その声はワタシにしか聞こえない。 明らかにニンゲン以外の何か。 『…警戒されなくても平気ですよ。真輝さんは、恐らくですが、自分で答えを見つけるでしょう。…貴方は貴方の旅を無事に続けてください…。』 その声は優しくそれだけを告げると気配を消した。 その直後。 「ふぅ、やっぱり自分で考えなくちゃね!一緒に悩んでくれてありがとね、にゃんこさん!」 真輝は悩みなど最初から無いような微笑みを見せた後、ワタシにお礼を言ってこの場所を後にした。
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