7人が本棚に入れています
本棚に追加
屋根に溜まった雨の雫がポタポタと音を立てて跳ねる。
ワタシはベンチの上に座り考えていた。
なぜ、悩みが解決しないのに笑ったのだろう…。
なぜ、あの不思議な気配は真輝がそうすることを知っていたのだろう…。
そして、なぜワタシは、役に立てなかったのに2人に感謝されたのだろう…。
ワタシは考える。
この世界にはワタシの知らない事がたくさんあるということを。
もし、ワタシがこの世界をたくさん知れば、真輝の笑顔の意味も、あの女の子のことも、伝えたいことも、ワタシの名前も分かるのではないかと。
ベンチから軽やかに飛び降り、ワタシは空を見上げる。
ワタシが世界の事を全て知ったら、またここで真輝とおしゃべりをしよう。
そう決めたワタシは、その日がくるのを楽しみに歩き始めた。
最初のコメントを投稿しよう!