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移り変わる季節の中。
夏の香る草花のたちなみ。
ワタシは、お散歩を続けている。
いつから歩き始めたのか、どこに終わりがあるかわからない。
「…ごめんね、良い人に拾われるんだよ。」
ワタシの覚えているニンゲンの言葉。
とっても優しく、すごく切ない。
ワタシは歩く。
あの時に、話した女の子に会いたくて。
理由なんて、たぶんない。
ワタシがこうして生きているのも、その女の子がいたからだ。
ワタシは歩く。
秋の寂しい落ち葉の中を。
冬のヒゲをくすぐる綿雪の中を。
春の優しい日溜まりの中を。
何度も、繰り返される季節を、ワタシは歩く。
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