猫とマタタビ

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  僕の名前は【欣一(キンイチ)】   たった今飼い猫になりました。   真っ黒い毛並みに金色の瞳。    僕、段ボールの箱に入れられて捨てられてたんだよ。   それをここに住んでいる利香(リカ)ちゃんに拾われたんだ。     『黒猫ちゃんか。目が金色なんだね。う~ん名前どうしようかな?』   僕を連れてきた彼女が首を傾げて考え込んでいた。    しばらく悩んでから手を叩いてこう言ったんだ。     『キンチャン! うん、いい。それだそれ』     僕のチャームポイントの金色の目からだね?     『アタシの好きな萩本欣一と同じ名前、よし、決まり!』     え? 誰それ?     『欣ちゃん、今日からよろしくね。アタシは利香、仲良くしよ』     ニャー。   えっと、よろしくです。   さっきからそこの高い場所からこちらを見てる方が……。     『そうそう、お友達がいるから仲良くしてね。おいでヒデ』     利香ちゃんはサイドボードの上にいた、ちょっとおデブのヒデと呼ばれた猫をよいしょと持ち上げて僕の前に連れてきた。     『ほらほらヒデ、新入りさんだから仲良くしてやってね』     《よろしくお願いします》   《おう!》     『このヒデね、昔はスマートだったんだけど、すっかりデブになっちゃってさぁ、ヒデとは大違いアハハ!』     そう言って利香ちゃんは豪快に笑った。   僕が首を傾げているとヒデさんが言ったんだ。     《好きなサッカー選手と同じ名前つけやがってさ、そいつカッコイイ奴なんだぜー。今の俺完全に名前負け》  
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