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『6時に屋上にいます』
そんな感じのメモを彼の机の中に放り込んだのは、今朝のことだ。
相手は小学校から絵美と中のいい、藤原康太。
メールではなく、あえてメモ書きで呼び出したのは、それだけ真剣さを伝えたかったからである。
屋上へと続く階段の下までやってくると、絵美は大きく深呼吸をした。
そして胸の鼓動が速くなるのを感じながら、恐る恐る階段を上って行く。
その時、絵美はあることに気がついた。
屋上のドアが、わずかに開いている。
そして、その前に無造作に置かれたバケツとモップが目に飛び込んでくる。
「まさか……」
絵美は息を呑むと、慌てて階段を上がって行った。
わずかに開いたドアの隙間から、風に乗ってかすかに会話が聞こえてくる。
声の主は、間違いなく洋子と康太だった。
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