第2話 迷探偵コナ

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写真には、1人の上品そうな少女が映っていた。 しかし、その表情は悲しみに溢れ、大粒の涙を流している。 その脇には、少女の父親と思われる禿げたオッサン。右半身しか映っていないが、直球のカメラ目線だ。 それを見たコナは、カッと目を見開いた。 「こ、これは……うちから徒歩2分くらいのところにある屋敷のセシルお嬢様じゃないですか」 ブルートが深刻な表情でコクリとうなずく。 「へい……実は、セシルお嬢様の、パパより大切な宝物が盗まれたそうなんです」 「宝物? ま、まさか……」 『宝物』を脳裏に思い浮かべ、戦慄するコナ。しかしブルートは、容赦なく言い放つ。 「へい、あのクマのぬいぐるみです〓」 コナは脱力したように椅子に腰を落とした。 「まさか、よりによってあのクマサンとは。あの、ルビーやらダイヤやらがゴチャゴチャ張り付いた、可愛くも何ともないし悪趣味だけど、値段だけは高価な、あのクマサンとは……」 「親分、殺されますぜ……」 ポツリとつぶやくブルート。しかし、コナは完全に自分の世界だ。 無駄に額に脂汗を浮かべ、頭を抱えている。 「これは黙っているわけにはいきませんね。ブルート君、すぐ出陣です
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