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魔力がなければ魔法は使えない。だから通ったとしても意味がない。祐樹はそう言いたいのだ。
「ん~。でもね~」
祐樹の言葉を真面目に聞いていた母さんの顔が途端に緩みだした。
「…?」
気まずそうにいう母さんは棚から一枚の紙を取り出し、祐樹に見せる。
「ん、ん……!?」
ゆらゆらと揺れる紙。
よくよくみると退学届けのような気がする、しかも今自分が通っている高校の…。
そして祐樹は気付く。
「まさか――!?」
「ごめんねー。退学届け…だしちゃった♪」
「なっ、嘘だろ…」
「本当よ♪」
「だって退学届けはまだ母さんが持って…」
「あ、これ?これはコピーよコピー」
「……!?」
母さんの衝撃の告白に慌てて母さんから紙を奪い内容を確認。
そこには白黒コピーではあるが自分の名前と校長のサインと拇印がしっかりとしてあった。
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