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静寂とした夜の森の中、草木を掻き分け必死に走る人影がいた。
月夜の光りに人影は映し出される。みたところまだ顔つきは幼い。10代半ばといったところだろう。
少年はハァハァ…と息遣いが荒く、何かで切られたような傷痕が躯の所々に見える。
――いつから走り出しただろうか?そう思える程、体が、全身が痛んだ。
しかし、相手はこちらに休む暇を与えはくれない。
容赦なく襲い掛かって来る。
「魔弾―…」
ふいに聞こえた声。
すると後ろからエネルギーの塊が少年目掛けて飛んできた。
「―――ッ!」
それを前転して瞬時にかわす、もし直撃でもしたら死はまのがれない。
「諦めて降参したらどうだ?」
魔弾を撃ってきた相手が降参しろと問いかけてくる。
降参?降参なんかするものか!!負けたくない―…
だが、無情にも相手に勝てる力も気力も持ち合わせていなかった。だけど、そんな事はさらさらする気はなかったので返事を返した。
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