序章、始まりは終わり

2/4
前へ
/71ページ
次へ
静寂とした夜の森の中、草木を掻き分け必死に走る人影がいた。 月夜の光りに人影は映し出される。みたところまだ顔つきは幼い。10代半ばといったところだろう。 少年はハァハァ…と息遣いが荒く、何かで切られたような傷痕が躯の所々に見える。 ――いつから走り出しただろうか?そう思える程、体が、全身が痛んだ。 しかし、相手はこちらに休む暇を与えはくれない。 容赦なく襲い掛かって来る。 「魔弾―…」 ふいに聞こえた声。 すると後ろからエネルギーの塊が少年目掛けて飛んできた。 「―――ッ!」 それを前転して瞬時にかわす、もし直撃でもしたら死はまのがれない。 「諦めて降参したらどうだ?」 魔弾を撃ってきた相手が降参しろと問いかけてくる。 降参?降参なんかするものか!!負けたくない―… だが、無情にも相手に勝てる力も気力も持ち合わせていなかった。だけど、そんな事はさらさらする気はなかったので返事を返した。
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加