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何気ない平和な朝。
カーテンの隙間から日差しが差し込み顔に当たる眩しさが気持ちよかった。
いつもと変わらない。
だが、普段と変わらない朝は少し違った。
「ゆう…き…」
「んー…?」
「祐樹っ!!」
ガバッ
「…は、はいぃ!!」
一階の廊下から母さんの大声が響く、つい条件反射で跳び起きてしまう。
そのおかげで目が覚めた。
「…なんだよ!母さん!!」
「手紙が届いてたわよ」
どうやら自分宛てに手紙が来たようだ。
母さんはそれを知らせる為、起こしたみたい。だが、こんなに朝早く起こさなくていいだろうと祐樹は思った。
「それだけの為に僕は起こされたのか…?」
ボソッと愚痴を漏らす。
「愚痴を言う暇があったらおりて来なさい!」
一階から怒鳴りに似た声が。思わず苦笑する。
しかし、聞こえないよう漏らしたはずなのだが母さんには聞こえていたらしい…。地獄耳なのだろうか。
「鬼…」
試しにさっきよりも小さな声で言ってみる。
「祐樹…。今、母さんの悪口言ったんじゃないでしょうね…?」
「わかったよ!」
やはり地獄耳だ…。
だったらベットには長いは無用。これ以上ここにとどまると本当に鬼になりかけない。
祐樹はベットを離れ、タンスのある場所までいくと私服を脱いだ。
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