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僕の名前は橘 祐樹。普通の県立高校に通うもうすぐ二年生になる学生さんだ。
「…これでよし!」
学校指定の制服に着替えた祐樹はふとタンスのとなりにある鏡を覗いてみる。
少しくせ毛がある黒髪、いたって目立つ訳でもない容姿。
身長、体重…平均並。
自分はどこにでもいるようような平凡な青年だ。
まずといって目立つことはないだろう。
あるとしたら目くらいか…。
“今は”黒い目を見つめ、そして自分に向けて作り笑いをしてみる。
(…かわいくねぇ)
笑っているはずなのに、自分の顔は無愛想だった。
「祐樹!まだなの!?」
母さんが痺れを切らして叫び出した。
「あ、今行くから…!」
少し慌てながら、あらかじめ準備していたリュックを持ち、自分の部屋を出ていく。
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