29人が本棚に入れています
本棚に追加
「それでさ、手紙って?」
「エー!?」
急に驚いたように声をあげた母さん。その姿はまるで、子供がただをこねているようにしか見えない。
「エーってなんだよ!?というかその為に僕を起こしたんだろ。我が儘いうなよな、母さん!」
「もう、仕方がないなぁ~祐樹の意地悪ぅ……これよ」
母さんがしぶしぶ手紙を渡す。
(僕が何かしたのか…?)
祐樹は心の中で軽いツッコミを入れた後、手紙を受け取り愕然とした。
「これは……ラブレター?…な訳ないよな…」
桃色の手紙、いわゆる便箋。宛名は【橘 祐樹殿へ――学園長より愛を込めて】と…わざわざハートマークまである…。
(ここは気にしないことにしよう!気にしたら負けだ…!)
とりあえず、考えるのは手紙の内容を見てからだ。
祐樹は桃色の便箋を丁寧にハサミで切り取り、中身を取り出した。
中には紙が二枚…、
色に分けると桃色の手紙と無地の手紙が入っていた。
怪しい…怪し過ぎる……!!
最初のコメントを投稿しよう!