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『何だよもー!』
雛は踊場から踊場へとジャンプをしながら階段を下り、2階まで来ていた。
2階東側から2つめの部屋。ドアには黒いインクで小さく《篠崎 冬護》と書いてある。
雛は軽くノックし、中から少し低めの少年の声で、『どうぞ』と言う声が聞こえると、雛はドアを開け、中に入る。
ハンキルと同様、彼も奥の部屋にいた。低めの黒いソファーに座り、携帯をいじっている。
少年はハンキルほどではないが細目で、眉毛は細く、長さはわずか1,2cmほどしかない。おまけに目立った赤茶色の髪をしていて、その髪をワックスか何かで立たせている。見た目はまるで不良のようだ。
しかしチャラチャラとしたアクセサリー等は全く身に着けておらず、服装もTシャツにチェックのカッターシャツと、至ってシンプルな格好をしている。
少し眉間にシワを寄せた雛を見て、少年は軽く目を細めた。
『何で機嫌わりぃんだよ』
今日初めて部屋に入ってきた雛が不機嫌で、少年は気分が悪いようだ。
雛は突然口を開き、
『とーごは分かるよね!?今日、何の日か分かるよね…?』
と言って冬護(トウゴ)を軽く睨んだ。
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