一章~15歳ノ誕生日~

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 流れ続けるメロディは携帯から聞こえていた。新しい割りには厚めの、赤紫色をした携帯。  突然少女はモゾモゾと体を動かし始め、枕元にある携帯に手を伸ばした。  適当なボタンを手探りで押してから、手を布団の中へ引っ込み再び眠りにつく、と思いきや、少女は再び携帯に手を伸ばし、のろのろとした動作で携帯を開く。    寝ぼけた目でボ~っと画面を見つめる。ただ今の時刻、11時01分。少女は途端に目を輝かせ、急いで布団から出る。    もう春だと言うのに、彼女のベッドにはふかふかで厚めの敷き布団に、掛け布団、毛布、布団と冬のセットが敷いてある。    少女は洗面所のある隣の部屋へ行き、気持ちとは反してまだ寝ぼけたままの顔を洗い、簡単に歯磨きをする。    歯磨きをし終わった後、使い古したクローゼットの前へ行き、無地の黄緑色をした長袖のTシャツと、くすんだ紺色のジーパンを出し素早く着替える。そして帽子掛けに掛けてある羊の毛をつかったベージュのマフラーのようなものを頭から被って首に巻いた。      
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