この空に願う幸せ

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「あのね・・・。私、修一の事が好きみたいなの・・・」 「え・・・」 「最初に修一の笑顔で心が高ぶった時は、理由が全く分からなかったの。だけどね、この間、二人で遊園地に遊びに行った時、修一に恋してるんだって、修一のことが好きなんだって分かったの・・・」 「・・・も・・・私だって・・・多分修一に恋してる・・・。遊園地の話聞いた時、ほんとは花梨のことなんか気にしないで二人きりで行きたかった。けど、どうしても外せない用事があったから、諦めた・・・!花梨が修一のこと、好きだって知ってたら、無理にだって行ったのに・・・!」 「澪奈・・・。私だって、澪奈のことなんて忘れて楽しんでた!修一と居ると、楽しくて、他の事なんか忘れてしまえる。私は、修一の笑顔が好き!私だけのものにしてしまいたいって思ってる」 「私だって・・・!花梨がいつから好きなのか知らないけど、私だって、修一を他の人になんか渡したくない!」 「私だって。だけど、ずっと悩んでた。幼い頃からの関係を崩したくなかったし、変にしたくなかったから・・・!だけど、澪奈がそのつもりなら・・・私ももう迷わない!澪奈より先に、修一を私のものにする!遠慮なんて、もうしない!どうして好きなのに澪奈はそれを行動にしなかったの!?澪奈なら、いつでも出来た・・・!」 「それは・・・怖かったから・・・。修一がその気がなかったらって思ったら・・・。それに、そんなこと、出来るわけないよ・・・」 「それくらいの気持ちなら・・・、それくらいなら澪奈に修一は絶対に渡さない!しようと思えば出来た事をしない人なんかには絶対に・・・!じゃ、ね」 少し口ごもっている澪奈をおいて、花梨はその場から走り去ってしまった。 残された澪奈は、どうするべきかが分からなかった。   ただ、二人の関係が、険悪なものになった事だけは、明らかだった・・・。
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