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(はぁ・・・何やってるんだろ・・・。いくら同じ相手に恋したって言ったって、もともと親友なのに、どうしてここまで意地張っちゃったんだろ・・・)
修羅場から日が経つにつれ、花梨は喧嘩してる事がだんだん馬鹿らしくなってきていた。
そしてそれは、澪奈も。
(何で私、いつまでも喧嘩したままでいるんだろ・・・)
同じような事を考えていた二人は、それぞれの場所で携帯を取り出した。
そして。
「・・・あ、花梨?ちょっと話せる?」
「いいけど・・・。じゃあ公園で待ってる」
「うん・・・」
電話を切った二人は、公園へと向かった。
夜になっていたため、少し暗かった。
そして、公園のベンチに座った花梨と澪奈は、どちらからともなく話し始めた。
「あ、あのさ・・・」
「何?」
「えっと・・・ごめん。何か意地張ってたみたいで」
「私の方こそ・・・。何か、喧嘩してるのがもう馬鹿馬鹿しくなってきてた」
「それは私も。ね、これからはライバルだね」
「うん。だけど、私、澪奈には負けないから」
「私だって、負けないよ?」
仲直りした上で、お互いライバルとして認識した二人の間には、もう何の壁もなかった。
微笑みあう二人を、月明かりが照らしていた。
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