この空に願う幸せ

16/22
前へ
/22ページ
次へ
「おはよう、花梨♪」 「おはよ、澪奈」   翌日、これまでのことが嘘のように仲のいい二人を見たクラスメートは驚いた。 昨日まではあんなに険悪だったのに、いつの間に仲直りしたのだろうとか、何があったのだろうとか、思うところはたくさんあった。 ただ、いつもの二人に戻ってくれた事は、クラスメート全員にとって嬉しかった。 いつもの三人を見れると思うと、本当に安堵した。 「おはよ、修一」 「お、おはよう。・・・仲直り、したんだな」 「うん。何か、いつまでも喧嘩してるのって、馬鹿みたいじゃない?」 「お互い、意地の張り合いしてて、ずっと喧嘩してたんだけどね・・・」 花梨も澪奈も、二人揃って顔を見合わせて苦笑している。 何が何だか修一には全く分からなかったが、いつもの二人だと思うと嬉しかった。 「で、何で喧嘩してたんだ?」 「修一には内緒♪」 「これは、私たち二人の問題だから♪」 まさか修一のことで喧嘩してたとは言えず、笑ってごまかす。 そんなごまかしに、修一は気づくことなく。 「そっか。じゃあいいか」 「気にする事ないよ♪」 「さ、授業も始まっちゃうし♪」 そんな三人を見て、クラスメート達は微笑んだ。 いつもの三人だと。 あの様子ならもう大丈夫だと。 何があったかは知らないが、それでも。 三人の仲は、永久不滅なのだと思った。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加