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言いながら、照れてしまう。
花梨の顔は、ずっと下を向いたままだった。
「ショッピングに行った時には、気づかなかったけど・・・。しばらくして気づいたの・・・この気持ちに。遊園地に誘ってくれた時は、すごく嬉しかった。すごく、楽しかった。想いを打ち明けるかどうかで、随分悩んだの・・・。澪奈とも、喧嘩した。お互い、意地張っちゃっただけなんだけど。そんなこともあったから・・・この気持ちを、修一に伝えようって思ったの。もう一度言うね。私は、修一のことが好きです。だから・・・付き合ってくれませんか?」
修一をしっかりと見て、はっきりと花梨は言い切った。
照れているためか、顔は赤かった。
そんな花梨を見て、修一ははっきりと告げた。
「・・・俺も・・・。俺も、花梨のこと、好きだよ。俺の方こそ・・・付き合って欲しい」
その言葉を聞いた時、花梨の目からは、嬉しさで涙があふれてきた。
花梨のそんな様子を見て、修一は花梨の涙を拭いてやった。
そして、優しく微笑むと。
「泣かなくていいから・・・」
「うん・・・」
修一は、その腕で花梨を優しく包み込む。
突然で少し焦ったけれど、花梨はそのまま修一の腕の中にいた。
温かい、そう感じた。
いつまでもこうしていたいと。
そして、今こうしていることが、幸せだと。
「ありがと・・・。今、すごく幸せだよ」
「俺も、花梨といられて幸せだ」
まるで、時間が永遠に続くようだった。
数秒の事だったけれど、何時間にも、永久にも感じられた。
いつまでも続いていくようだと。
沈み始めた夕日が、二人を照らしていた。
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