1人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
分かれ道。
澪奈の家の方向はこの道の右側、修一と花梨は左側なので、ここでいつも別れる。
「じゃ、また明日ね」
「うん」
澪奈と分かれた花梨たちは、その後も談笑を続けながら花梨の家に向かっていた。
「あれ、修一の家って、こっちじゃないよね?」
「そうなんだけどさ。もうこんな時間だし、送っていこうかと思って」
「え、いいの?帰るの遅くなるんじゃない?」
「気にすんな。俺がそうしたいからしてるだけなんだし」
そう言って微笑みかける修一。
その微笑を見た花梨は、何だか気持ちが高まるのを感じていた。
過去に、こんな気持ちになった事があっただろうか。
考えてみても、思い当たらない。
自分では気づく事はできなかったが、花梨は間違いなく修一の微笑みに魅了されていた。
「あ・・・ありがとう」
「・・・っと、此処だよな」
「・・・うん。あ、じゃあまた明日」
「そうだな」
去って行く修一を見て、何故か寂しいと思う花梨がそこにはいた・・・。
最初のコメントを投稿しよう!