1人が本棚に入れています
本棚に追加
「景色、綺麗だね」
「そうだな。夕方だし、余計に」
「うん」
花梨は、今日一日の事を思い返していた。
思いっきり叫んだジェットコースター。
あまりの迫力に思わず修一の腕を掴んだお化け屋敷。
思い返しているうちに、いつしか花梨の心は高ぶっていた。
そして、ゴンドラが頂上まで来た時。
「お、頂上だ。結構高いなー」
「そうだね。確か・・・地上百メートルだっけ?」
「それくらいだな。・・・今日は楽しかったよ」
「私も楽しかった」
修一の笑顔を見ていて花梨はふと気がついた。
自分は、修一のことが好きなのだと。
だからこそ、こんなにも心が高ぶっているのだと。
あのショッピングの日の帰りから、ずっと好きだったのだと。
今、この瞬間に、自分の気持ちがしっかりと自覚出来た。
そして、観覧車が地上に着いた時、寂しさを覚えた。
もう少し、このままでいたい、そう思った。
「帰るか」
「うん」
最初のコメントを投稿しよう!