新人教導

2/5
前へ
/20ページ
次へ
-機動六課隊舎 フェイトの執務室付近- (…はやてになのはの居場所を聞いておくべきだった…) 今更ながら後悔する。 […あなたも相変わらずですね。] なんてガーランドが呟いた。 「なんか言ったか?」 [いいえ、なんでも♪] …なんだかデバイスに言い負かされてる気分だ。 声には出さず、あくまでも心の中で少し泣いた。 …そして、とぼとぼ宛てもなく歩いていると、 「あれ、カズヤ?」 と後ろから声をかけられた。 振り返るとそこには、長い金色の髪を黒いリボンでまとめた美しい女性が立っていた。 「よう、フェイト。久しぶり。…って、この前会ったっけな。」 フェイト「…今も昔も同じ職場だからね。」 …この女性はフェイト・T・ハラオウン。名字の通りクロノとは兄妹だ。 彼女とはPT事件を通じて知り合っていて付き合いは結構長い。 クロノがアースラの艦長になってからはフェイトが執務官で、俺はその補佐官をしていた事もある。 クラウディアに移った今もそれは大して変わらないのだが。 フェイト「カズヤは、ここで何してるの?」 そうそう、本題を忘れるところだった。 「なのはの手伝いをしなきゃいけないんだけど…」 フェイトは苦笑して、 フェイト「相変わらずの方向音痴なんだね」 …言われてしまった。まぁ、聞き流しておくとして。 「…で、なのははどこにいるんだ?」 フェイト「一度ロビーに戻って…」 と、フェイトは少し考える顔になった。 俺が不思議がっていると、 フェイト「と、思ったけど、口で説明するより、ガーランドにデータ送った方が早いかもね。」 ……え?…… [素晴らしい判断です、執務官殿。] …俺の心に小さなヒビが入ったのは秘密だ。 「…まぁ、一応ありがとう。」 とりあえず礼を言っておく。 「あ、それと…一年間よろしくな。フェイト隊長。」 フェイト「こちらこそ。頼りにしてるよ、補佐官殿。」 「…期待に応えられるよう、努力はするよ。それじゃあな。」 そういって再び歩き出した。 フェイト「やっぱり、相変わらずだね…その性格も。」 和也が立ち去った後、フェイトはそう漏らしていた。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

446人が本棚に入れています
本棚に追加