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-機動六課隊舎 フェイトの執務室付近-
(…はやてになのはの居場所を聞いておくべきだった…)
今更ながら後悔する。
[…あなたも相変わらずですね。]
なんてガーランドが呟いた。
「なんか言ったか?」
[いいえ、なんでも♪]
…なんだかデバイスに言い負かされてる気分だ。
声には出さず、あくまでも心の中で少し泣いた。
…そして、とぼとぼ宛てもなく歩いていると、
「あれ、カズヤ?」
と後ろから声をかけられた。
振り返るとそこには、長い金色の髪を黒いリボンでまとめた美しい女性が立っていた。
「よう、フェイト。久しぶり。…って、この前会ったっけな。」
フェイト「…今も昔も同じ職場だからね。」
…この女性はフェイト・T・ハラオウン。名字の通りクロノとは兄妹だ。
彼女とはPT事件を通じて知り合っていて付き合いは結構長い。
クロノがアースラの艦長になってからはフェイトが執務官で、俺はその補佐官をしていた事もある。
クラウディアに移った今もそれは大して変わらないのだが。
フェイト「カズヤは、ここで何してるの?」
そうそう、本題を忘れるところだった。
「なのはの手伝いをしなきゃいけないんだけど…」
フェイトは苦笑して、
フェイト「相変わらずの方向音痴なんだね」
…言われてしまった。まぁ、聞き流しておくとして。
「…で、なのははどこにいるんだ?」
フェイト「一度ロビーに戻って…」
と、フェイトは少し考える顔になった。
俺が不思議がっていると、
フェイト「と、思ったけど、口で説明するより、ガーランドにデータ送った方が早いかもね。」
……え?……
[素晴らしい判断です、執務官殿。]
…俺の心に小さなヒビが入ったのは秘密だ。
「…まぁ、一応ありがとう。」
とりあえず礼を言っておく。
「あ、それと…一年間よろしくな。フェイト隊長。」
フェイト「こちらこそ。頼りにしてるよ、補佐官殿。」
「…期待に応えられるよう、努力はするよ。それじゃあな。」
そういって再び歩き出した。
フェイト「やっぱり、相変わらずだね…その性格も。」
和也が立ち去った後、フェイトはそう漏らしていた。
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