――紫音のStory――

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また夢に出て来たよ 溜め息をつきながら、寝起きでボサボサの髪をかきあげる。 ヤバイ、あたしの現在の欲求不満度99%! あと1%溜まったら、あたしは襲ってしまうかも? 我慢、我慢、堪え忍ぶのみ!! でも――― アイツのうなじが、引き締まった腰が、細く長い指先が、あたしの理性を吹き飛ばす。 あたしの日課。 それは朝起きたらベランダに出て、いっぱいの朝日を全身に浴びること。 もちろんこの時、足は肩幅に開き両手は腰に! それが終わると、顔を洗い30分かけてのメイクが始まる。 きっちりシミ隠しと赤み隠しの下地をしたら、ファンデを塗る。 学校に行く用メイクは、これにマスカラとグロスを塗ったら完成! 後は制服に着替え家を出る。 ……こんな感じかな。 えっ?朝ごはん? いつもコンビニでカロリーメ〇トを買って食べてるよ。 うちは小金持ちらしくて、育児は放任主義。 だからあたしは、高校入学と同時に一人暮らしを始めたの。 実家に居ても、家族は滅多に帰ってこないし、どうせ一人なら最初から一人のほうがいい。 夜遊びも出来るしね! って、自己紹介が遅れましたね! あたしは小柳紫音、17才。 奇人変人が多いAB型で、狙った獲物は必ず射止める射手座。 高校は天下のお嬢様学校、聖琉学園の高等科に通ってますわっっ。 もちろんメイクなんてNGだけど、あたしは特別。 だってあたしは、 理事長の孫なんだもん!  
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