妄想ハニー

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うちは祖父ちゃんが学校と塾の経営、パパはその祖父ちゃんの塾を任されていて、ママは小さなエステサロンを経営している。 世間一般の家庭に比べるとお金持ちの部類に入るけど、晶の家程の大金持ちではない。 どっちつかずの中流家庭も楽じゃないのよ。 豪遊出来る程の財産は無いのにお得意様との付き合いで、あっちで大枚こっちで大枚を使って、だからパパもママもなかなか家に帰って来ないし。 それでもあたしに一人暮らしをさせてくれる位の余裕はあるみたいだけどね。 そしてあたし自身はと言うと―― 160㌢もないちんちくりんな背丈。 セミロングのキューティクルのない茶髪。 スリーサイズは死んでも言えない! 頭も良くないし……。 晶と比べるだけ馬鹿だったかも? それなのに中等科の子達に人気があるのは、きっと祖父ちゃんの七光りのおかげだね。 「―…‥音、紫音!!」 はっ! 晶の呼びかけで気付くとあたしはまた自分の世界に引きこもってたみたいで、晶は「またか」とこれみよがしに溜め息をついていた。 「う、うん」 「まぁぁったく!そんな妄想ばかりしてると、リアル恋愛出来なくなるよ!」 …………。 黙ってたら素敵なお嬢様なのに。 「で、どうするの?累のこと調べる?」 「調べるって言っても何も知らないし。……調べようなくない?」 はっ!!! っていうか今の発言、まるであたしが累のことを好きみたいじゃん!! アイツが勝手に夢の中に出て来たり、頭の中で騒いでるだけなのに! そもそもアイツは――  
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