妄想ハニー

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アイツ、累と出会ったのは二週間くらい前のこと。 知っての通りあたしと晶はハチャメチャお嬢様。 あたしは一人暮らしだから夜の外出なんて全然問題無しだけど、晶はああ見えて財閥のお嬢様。 夜の外出は窓からこっそり……なんて思ってたら大きな間違い! 堂々と玄関から出て玄関から帰る。 本来なら天下の綾小路財閥のお嬢様ともなれば、夜の外出なんて考えられないんだけどね。 とまぁそんなわけで、その日も堂々と夜遊びをしてたんだけど、あたし達の夜遊びなんて可愛いもんだよ? 悪いことはしない。 これ基本ね! 夜遊び自体いいこととは言えないけど、喫煙、飲酒、不純異性交遊はあたし達の中ではNG。 いつも街中プラプラ歩いたり、ゲーセンでゲームしたりカラオケしたり、普通に女子高生が昼間にしてることをあたし達は夜中に活動してるだけ。 大人ぶりたいというか、日頃のストレス発散とでも言っておこう。 とにかく、あたしなんてまだいい方だけど晶みたいなお嬢様になると何もかもレールが引かれてて、息が詰まる生活をしてるのね。 学校も習いごとも将来も、全て大人が決めたことを晶がするだけ。 絶対服従。 逆らうことは許されない。 本人いわく、あたしと出会うまでの晶は操り人形だったらしい。 逆らうこともせず、自分を出さない。 ただ家の色に染まるだけ。 だけど祖父ちゃんの学校であたしと出会ってからは、いい意味であたしに感化され、今では自分の意思を表現出来るようになったって喜んでた。 ……でもちょっと逞しくなり過ぎたように見えるのはあたしだけ?  
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