君がいない

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俺の処遇は、想像がつかない。五十嵐社長は、つかみ所ないし。 でもいいか。 これでクビになっても、思い残す事はない。言いたい事は言った。 家に着くと、疲れが肩にのしかかるようだった。 季節外れの麦茶を飲みながら、また脳みそを酷使してみる。 昨日の事件が無くても、桜は俺から去るつもりだったんだよな。 俺の中途半端さに、呆れかけていたのかな。 俺が桜ならどう思う? 多少の苛立ちはあるのかもしれないな。いや、俺ならあるな。 それなら『大好きな人』の状態で別れるか。一度好きになった人を嫌いになるのは、辛い事だ。 春菜を見ていて、よくわかっているつもりだし。 俺、桜に全部伝えたかな? ふと、カレンダーに目がいった。27日につけられた、赤いマーク。 桜が旅立つ日。 何度か電話もしたし、メールも打った。返事はないし、家も引き払っている。 会う手立てが断たれた今は、空港に行くしかないよな。 最後の運命の歯車が合うとするなら、27日しかない。 空港に行こう。 時間は詳しく聞いていなかったから、朝から行けばいい。 とにかく……今は寝よう。 そして、桜に伝えたい事を整理しよう。
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