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あっけない。
その一言に尽きた。
諦めがつかない気持ちを抱え、考える事しかできなかった。
鳴らない携帯を何度も確認して、桜の言葉を思い出して。
俺はどうあるべきなのかな。
はっきりはわからない。
だけど俺自身言ったよな?偉そうにさ。
『正しかったと胸を張れる時』は必ず来るんだよ。
それまで悩み、考え。迷えばいいんだ。思いっきり。
時間が解決するのはわかっているが、十分な時間が経つのをひたすら待つのはきついよ。
焦りと諦めと。
そんな気持ちのまま、どれだけの時を過ごしたらいいのかな。
でも、一つだけ出た答えはあるよ。
俺は、桜が好きになった『桜井隆一』を、ずっと保っていこうと思う。
そして桜が気付かせようとした、家族のなんたらってやつを…ちゃんとしてみようかなって。
もう家族ではないけれど、壊れる前にしなければならなかった事を、してみようと思うんだ。
だけど今は、桜との思い出に浸ろうかな。ちゃんと桜の事を消化したあとに、動き出してもいいだろ?
本当に好きだったよ。
不器用で、傷付けて…泣かせてしまったけれど。
君がいたから、俺は変われた。取り戻せたモノもあった。
ありがとう。
桜に出会えて、本当に良かった。
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