中年革命

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―休日― 桜が咲いたから、見に行こうと誘われた。 春の装いの俺。今年は、ちょい悪テイストに仕上げようと企んでいる。 中年ならではのお洒落も、捨てたもんじゃないんだぞ? 約束の時間よりも早く、桜の木の下に着いた。 たしかに見事だな。 花見客もチラホラいる。ここは穴場だから、人でごった返す事はあまりない。 青い空に白い雲が少し。そして桜の花。 ビバ・日本だな。 「待った?」 花を見上げる俺に、声を掛ける女性が一人。 「いや。時間ちょうどだろ?」 俺はゆっくりそちらを向く。 「春菜はまだかしら?」 ……おぉ!ずいぶんとまた……。 「痩せたな!」 その言葉に、誇らしげな顔になる幸子。 「でしょ?…それより、春菜は?」 「春菜はキャンセルだ」 春菜は今、俺とマブダチ…みたいなものらしい。春菜から言われた。 俺が、言葉足らずに離婚してしまった事に悔いているのを、春菜には言ってやった。 《チャンス作ってやったんだから、ちゃんとしてよ!》 そんなメールに、親子の変な壁は感じない。親であり、一人の人間として付き合える。 何だか、いい関係になれていると思うよ。
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