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ひとしきり笑った後、幸子が急に
「なんだか、昔に戻ったみたいね」
そうだな。俺達まだまだ、こうして笑い合えるんだな。
「なぁ。俺達、熟年かな?」
「まだ若いわよ」
幸子が気持ちいいぐらい、即答で返してくれる。
「熟年離婚て言うには、早かったよな」
「……そうね」
俺は桜を通して、若かりし頃の幸子を見ていた部分もあるのかな。
それをこれから、見極めて行きたいな。
「もう一度、友達からやり直そうか」
ふわっと、心地好い春風が通り抜けた。
「はぁ?」
「こんなのもいいだろ?」
離婚したからこそ、お互いを見つめ直せそうじゃないか?
俺は離婚したからこそ、幸子と向き合えそうな気がするんだ。
「……変わったわね。随分」
幸子は笑顔になる。
「まぁ……いろいろ……な」
俺も笑顔になる。
嫌いになって離婚したわけではないから、元サヤとまでいかなくても。いい友人ぐらいにはなれるだろ?
それに、まだまだ話し足りない。
「何かあったの?」
「いや……。うん、そうだなぁ……。あったのか、起こしたのか……」
「何をよ」
そうだな。あえて言うなら……
「革命。……かな?」
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