第2章 past memories

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「僕たちは予定通り午前零時ちょうどに殲滅を開始した。 殲滅自体は障害になるようなものもなく順調に行ってたんだけど、最後の最後である問題が発生した。」 思わせ振りな口調だが、ジェイドが問題と認識するようなホットトピックときたら蒼炎痕かあれ以外に思い当たる節がない。 「プロトン・クラスターだよ。」 ジェイドの予想を裏切らない発言にクリスが悲痛な溜め息をつく。 (マージェスにプロトン・クラスター、爆破、蒼炎痕頭痛の種は尽きないな。) 「あそこの施設は稼動してなかったんだけどね。 多分あれの試作品みたいのが1つ運び込まれてたんだよ。 いや、危なかったね。気づかないで焼いてたら確実にドッカーンだったよ。」 「笑い事じゃない。現に爆発はしているのだからな」 確かにクリスの指摘した通りだ。 敵施設を消し炭にする前にその存在に気づいていたというのならいくらでも対処の仕方はあったはずだ。 それこそ直ぐにとはいかないが、レノアスを召喚して対抗戦でやったことと同じことをすることも可能だった。 では何故彼は最大級の炎『極天大炎葬』なんてものを放ったのだろうか その答えは実に簡単なものだった。 「でもあれやったのは僕じゃないからね。 そんな恐い顔で睨まないでよ」
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