第2章 past memories

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「お前なぁ……それならソフィに直接かけろ! 時間がないんだったら尚更俺を中継することないだろ。」 ソフィだって携帯を持っているのだからわざわざ間にレノアスを挟む必要などないはずだ。 《えぇ、仰る通りなのですがソフィさんの携帯はオフになっている場合がほとんどなのですよ。 ならばすぐ近くにいるであろう貴方にかけた方が手っ取り早く済むというわけです。》 (それって着信拒否されてるとかじゃないよな?) まぁ仮にそうだとしても可哀想などとは微塵も思わない。 むしろ、そのしわ寄せが自分に来るのは御免被りたい。 《しかしながら若い男女が一つ屋根の下というのはいささか羨ましいシチュエーションではありませんか。 どのような巧妙な手を使ったらあのソフィさんを口説き落とせるのですか? 御教示願いた》 まさかそれを言いたいがために中継を入れてきたのか そんなことした覚えもなく、したとしても絶対にリヴァスには教えてやるものか。 レノアスはすかさず親指を保留ボタンに押し付けた。 このまましばらく放置してもよかったが、さすがにそれはしてはいけない気がする。 人として (ソフィを待たせることにもなるからな) というわけで携帯を隣にパス。会話からしてソフィにも相手は分かっているだろう。 特に何を言うこともなくレノアスはコートを取りに行く。
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