第2章 past memories

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あの後『冗談』という言葉がなかったら自分はどうしていたのだろうか。 などということは考えない。自分ならきっと最善の方法を導き出したはずだ。 ……多分 それよりも問題なのはソフィのあの切り返しだ。 いったい誰の悪影響を受けたのか (ミルファかカシスだろうな……) あの2人が近くにいるのなら仕方ないさ。 という諦めの結論にたどり着くのと時を同じくして、バイクも目的地にたどり着き、その車輪を止めた。 「さて、どうなってんだろうな」 恐慌状態になっての大混乱か、はたまた冷静に上からの指示を待っているか。 どちらにせよ話さえ聞ければそれでいい。 外見古いくせして電子ロックのドアにカードキーを流し入れ、レノアスは扉を押し込んだ。 途端にガヤガヤとした話し声が漏れてくる。 恐慌状態とはなっていないようだが、やはりこれからの展開について意見を述べ合っているようで、ロビーは人も五月蝿ささも普段の二割増になっている。 そんな彼らの間を抜け出てレノアスは一直線に二階を目指す。
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