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緩んでいた表情を引き締めて、ジェイドは体を支部長ではなくレノアスの方に向け、吐くように呟いた。
「あの倉庫の空で蒼炎痕に会った。」
その言葉は他に匹敵するもののない起爆剤となり、レノアスの心に黒い炎を着けた。
芯を持たない輩ならそれだけで即倒してしまいそうな覇気を放ち、もはや狂気に近いものを眼に宿してレノアスが言葉を紡ぐ。
「あいつが居た…………あいつはどうした?何をしていた!?」
「まぁ落ち着きなよ。今あそこで起きたこと話してやるからさ。」
少しの間、互いの覇気をぶつけ合っていた2人は、間もなくその無駄な行為を止めた。
(睨んでも情報は手に入らない……)
レノアスの理性が復活すればそれで済むことだったので、落ち着きさえすれば後はスムーズなものだ。
「悪い、少しアイデンティティークライシスが……」
「気にしなくていいよ……アイデンティティークライシス?」
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