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レノアスの予測不可能、急な気まぐれ攻撃に、うとうとしていたジェイドの額は、鈍い音を盛大に立てて、机に衝突した。
「う……な、何?」
こちらも寝ぼけ眼のジェイドが額と後頭部の両方を押さえて上半身を起こした。
この世の不幸を一身に背負ったような目付きで後ろを振り返るも、レノアスはなにくわぬ顔で板書を書き写している。
「ジェイドさん、どうかしたのですか?
いくら僕が話しているとはいえ、あくまでこれは授業ですのでしっかり聞いてもらわないと困ります。
僕としてもあなたの単位を落とすようなまねはしたくないので」
何が楽しくていつもそんな顔をしているんだと聞きたくなるような微笑フェイスをジェイドに向けたリヴァスが、脅すように名簿に何かを書き込んだ。
何故ドルグスタ生であるリヴァスがここ守護者養成学校:GFSのリゼルクロス校の教壇に立っているかと言うと、転校してきたとか、教職を取るための実習だとかそう言うわけではなく
国際的学校行事第二段、交換留学生として来ているだけである。
今はドルグスタの文化を伝える特設授業の真っ最中なのだ。
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