第1章 wipe out

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季節は冬の後半、雪は降ってはいないがまだまだ寒さの残る季節である。 「本当に単位落としたりしないよね?」 「まさか、そんな出すぎたまねがたかが留学生に出来ましょうか。 単に皆さんの集中力を取り戻そうとしただけですよ。 まぁ、あれが続くようではあなた方の担任の方への報告が必要かもしれませんが」 「それは勘弁してくれ、うちのクラスは全体責任なんだ。 全員で野外演習場の整備なんてのは御免だぞ。」 そんな冬の冷えきった空気のなか、レノアスたちは屋上にて昼食を食べていた。 何故わざわざそんな寒々しいところで食べているのかと言うと、それは人目につかないところでしなければいけない話があるとかそう言うわけではなく、 ソフィがこの場所を気に入ってしまったからである。 レノアスたちの必死の抵抗も虚しく、ソフィはボルトとナットで固定したように動く気配はなく、ついに折れたレノアスたちはここで昼食を取ることになった。 だが、1日だけと思っていたそれは現在、習慣となりつつある。
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