熱いキスを君に

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いつもと変わらない一週間を過ごし、純と約束した夜。 私はカバンの中にミルクチョコレートの袋を入れ、エンゼルス・キッスへと向かう。 純は来てるかな。 もし純が居なかったら、このチョコレートは中ちゃんにあげよう。 私は、チョコは嫌いじゃない。たぶん、好きな方だと思う。 だけど、ケーキとかと違って、チョコはついつい食べちゃうじゃない? 何かしながらとかでも、手軽に食べれちゃう。 いつの間にか大量に食べていたりすり。それがクセになったら困るじゃない。 一応、太らないように気を付けているから。 だからチョコみたいに食べやすい甘いものは、手元に置かないのを決めている。 先週よりも、1時間遅く。 エンゼルス・キッスの扉を開く。 「いらっしゃーい。やっと来たな。本日も代理マスターで申し訳ない」 カウンターの中で微笑む純に、少しだけ安心した。ほんの少しだけ……ね。 店内を見渡すが、他の客もマスターも居ない。 「どうして一人なの?」 今日は特等席をやめて、カウンターの中央。純の正面に座った。 「マスター、奥で爆睡中。昼間、全力で遊んだらしいよ」 純は入り口に向かい、何やら作業をしてすぐに戻ってきた。 「だから今日は、貸し切りといこうか」 本日もカクテル講座が開かれる。
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