熱いキスを君に

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「今日は、オーソドックスに……スクリュードライヴァーからどうぞ」 私はそれを受け取ってから、カバンからチョコを取り出して純に渡した。 「お!サンキュー!偉いじゃん。忘れてなかったんだ」 「歳はくってるけど、脳はまだまだ元気だからね」 私は、スクリュードライヴァーはあまり飲まない。オレンジジュースの味しかしないじゃない。 「これにまつわる話はないの?」 「んおぁ?あぁ!あるある。それ、飲みやすいだろ?」 飲みやすいと言うか、お酒な感じは薄いよね。 私は飲みながらうなずく。 「知らず知らずのうちに、ついつい飲みすぎちゃう。だから、下心があって飲ませるのが多いらしいよ。レディ・キラーの異名がある」 今あげたばかりのチョコの袋を開けながら、ニヤッと笑う。 「へぇ。でも、私には効かないね。これぐらいじゃ酔わないもん」 自慢だが、酒は強い。 スクリュー・ドライヴァーを飲みながら、くわえ煙草で作業する純を眺める。 グラスをスノー・スタイルにしている。あれは私でもわかるわ。 たぶん、ソルティ・ドッグだ。 「確かに。先週、何気に強いの作ったけどさ。ぜんぜんなんだもんな」 ソルティ・ドッグを一口飲んだ後。チョコを一粒口に入れた。 私はその口元から、目が離せない。
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