シングルベッド

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遮光カーテンの隙間から洩れる光では、正確な時間はわからない。 ただ、午前中ではないな……とだけ感じ、ゆっくりと起き上がる。 純はまだ、身を丸くするように眠っている。 私は下着とキャミソールを身に付け、煙草に火をつける。 もし、こんな関係が続いたとしたら……純もいつか、私に背を向けて眠るようになるのだろうか。 でもな。もしかしたら、今日が最初で最後かもしれないしな。 再び純の寝顔を見て、考えるのをやめた。 いいじゃない。 今日が最後でも。 珍しく満たされて、安心して眠れたじゃない。こうして目覚めた後も、早く帰りたいと思わない。 それだけで私は、また明日からがんばれるじゃない。 煙草を灰皿に押し付け、純の頬をそっと撫でる。 ふっとその瞳が開き、私の存在を確認してからまた閉じた。 「そろそろ起きよう?」 時計は15時を指している。さすがに、起きなきゃね。 「ん……。腹減ったぁ……」 意外と目覚めはいいようで、しなやかに伸びをする。 そんな姿を見て、綺麗だな……と思ってしまうなんて。男性に対して【綺麗】だなんて、褒め言葉になるのかわからないけど。 他の誰かと比べて、ずっとずっと綺麗で。 私よりも、純の方が【綺麗】という単語が似合うような気がした。
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