シングルベッド

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引き締まった体の綺麗な曲線。 男の体を見てうっとりするなんて、私もいよいよ【おばさん】の領域に踏み込んだのかな。 「……さすがに、帰ろうかな」 わざと時計に視線を移す。 ほら。見てよ。 12時間以上も、裸で眠っていたんだよ。夢を見ていたんだよ。 まだ……今よりもずっと純粋だった、遠い昔のような時間だったわ。 「帰るの?」 また……だ。 このままずっと居るのが当たり前のように、不思議そうに言った。 「うん。仕事、やらなきゃいけないのあるんだ」 なんて、嘘。 今帰らなきゃ、帰るタイミングを逃しそうで怖かった。 「なんだぁ。メシ行きたかったのに」 一度枕に顔を押し付けてから、ベッドから手を伸ばして煙草を手に取る。 私の近くに純の顔がある。その距離に、不覚にもドキドキした。 昨夜、あんなにも近くに居たのに。 「ま、また、暇なときに構ってあげるから」 あくまでも暇潰し。遊びなんだよ……と、自分に言い聞かせる。 「なんだよ。ガキ扱いしてね?」 ガキかもね。 でもさ、ガキの方が純粋じゃない?そこが魅力的なんだよ。 無駄にキラキラして見える純を直視できなくて、純に背を向ける。 私がおばさんだから、若さが眩しく見えるのだろうか。
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